変身のニュース/宮崎夏次系 ――その表情に、息が詰まる。
そこに描かれる日常は、あまりに非凡で、現実離れしているのに、どうしてこんなに、胸を締め付けるのだろうか。
私がこの作品に出合ったのは、モーニングの公式サイトで立ち読みしたのがきっかけだった。
次の日には、宮崎夏次系さんの単行本二冊を抱えて、ベットの中で読み耽った。
様々な人たちの少し変わった出来事が描かれた短編集。
その独特の世界観を、華奢な線画と細部まで書き込まれた背景が作り上げている。
この作品の核といえるのが、『表情』だ。
彼・彼女たちが思うことが、そこには、集約されている。
(こちらは『僕は問題ありません』の1話から。すごく好きなカットです)
偶然写真で捉えてしまったかのよう。
「はっ」とさせられる表情の数々を、何度も見返してしまう。
宮崎夏次系ワールド、万歳。
8話の「飛んだ車」、とっても良い話ですよ。